渡辺武信氏は、同じ中公新書で『住まい方の思想』『住まい方の演出』『住まい方の実践』という３部作を出しており、既にその３冊を読んでいる私は、渡辺氏の住まいに関する考え方＝思想に共感を覚えている。ゆえに、その続編となるこの本を購入したのであるが、買う時に、
「既にあの３部作で、言うべきことは言い尽くしているのではないか？」
と、少し疑問に思った。実際、本書の「序にかえて」にも、
「住まいに関しての自分の考えは、すでに書き尽くしたつもりでいた」
と書いてあるではないか！ということで、一口で言うとこの本は、主にこれから建築家になろうという人を対象に書かれたと言って良いのではないか。それゆえに特に真ん中あたりの章は、専門的に過ぎて私などは読んでもよくわからない。しかし全体から漂う雰囲気は「建築家のウラ事情」的な感じで、わからないなりに楽しめる。
しかし、渡辺武信氏の著書を読んだことがない人は、まず、前出の３部作に目を通すべきであろう。
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