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『熱情〜田中角栄をとりこにした芸者』
(辻和子、講談社:2004、9、7)
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良くも悪くも昭和を代表する政治家・田中角栄。その「二号さん」であったという神楽坂の芸者、辻和子さんという人が書いた「田中角栄」記。表紙の写真は、辻さん提供という田中角栄氏・首相時代にツーショットで撮ったもの・・・つまり30年ほど前に撮影したものだから、辻さんもまだ40代で若く見えるのは当たり前だが、著者略歴によると、辻さんは1927年生まれの今年77歳である。
この本の文体を見ると、おそらく辻さんが語ったものをゴーストライターがまとめたのであろう。ここまではうまく書けないよね、普通。
この本を見た時に思ったのは「田中角栄を生で知る人たちも、もうそろそろ鬼籍に入る人が増えてきたので、今でないと残せない・・・という気持ちが強くなってきたのだな」ということだった。
この辻さんとの間に、角栄は二男一女をもうけた(女の子は死去)が、その子供たちと、本妻の娘・田中真紀子さんとは極めて仲が悪く、(真紀子さんが嫌った)会うことさえも拒否されたそうな。
角栄の時代は、政治家などのいわゆる「旦那衆」がお妾さんを持つことが当たり前だった最後の時代ということか。これだけを読んで田中角栄はわからないが、そういった時代があったということは判ると思う。

★★★
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