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『マラソンランナー』
(後藤正治、文春新書:2003、12、20)
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野口みずき選手がアテネ五輪女子マラソンで、見事、金メダルを取った。おめでとう!
そのレースよりも前に、アテネ五輪のサッカー取材に向かう機中で読んだ5冊のうちの1冊。日本を代表する8人のマラソンランナー、金栗四三、孫基禎、田中茂樹、君原健二、瀬古利彦、谷口浩美、有森裕子、高橋尚子について書かれた本。去年の年末に出ている。当然、アテネ五輪を睨んで出版されたものだと思われるが、もう少しあとに出しても良かったのでは?
マラソンで思い出されるのは君原健二選手。ACの広告だったかで「あの電信柱まで・・・・」と思って走り続けたという君原選手のことが取り上げられたことがあり、「あの電信柱まで・・・」というのは、私なども苦しいクラブ(サッカー)の練習の時などに思い起こしたものである。
ところが。
会社に入ってから「マスターズ駅伝」というイベントに君原選手にも出場いただいたことがあった。その際に後輩のYアナウンサーが、走り終えた君原選手にインタビューして、こう言い放った。
「おつかれー!どう?疲れた?結構、やるじゃん」
メキシコ五輪・マラソン銀メダリストの君原健二選手を、Yアナは全く知らなかったのである。周りの人間は、全員コントのようにずっこけ、恐れ多いこの質問に君原選手がどう答えるか、息を飲んで見守っていると、君原選手は、
「はあ、まあ、なんとか・・・。」
と答えたのである。いい人だねー!君原選手って。Yアナが、あとでスタッフや先輩アナから大目玉を食らったことは、言うまでもない。
マラソンランナーにもいろんなタイプの人がいるようですが、概していい人が多いような気がします。42キロも走っている間に、いろんなことを考えるんじゃないですかね。人生とは、命とは、人間とはって。そうすると、たいていのことには怒らなくなるのかな。

★★★
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