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『日本語の将来
〜ローマ字表記で国際化を』
(梅棹忠夫編著、
NHKブックス:2004,6,25)
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梅棹忠夫さんが、国立民俗学博物館官庁を退いたあとに、(財)日本ローマ字会の会長を務めていることも、また日本語の表記をローマ字表記にするよう主張していることも、この本を読むまで全く知らなかった。
たしかに、現在こうやってワープロのキーボードを叩く時、私は「ローマ字入力」している。梅棹さんの話によると、75%の人が「ローマ字入力」しているとのこと。それならば、日本語をローマ字表記にすれば、そのまま「変換」をしないで済む分、早く打てるし、「誤変換」もなくなるという主張には、少し「なるほど」と思うのだが、全面的に賛成とは言えない。やはり漢字が育んできた日本の文化があるわけだし、それを途切れさせるのはいかがなものかと思う。
これで思いついたのだが、私が持っている記録メディア・・・簡単に言うとビデオテープは、一番最初は「VHS−C」という小さいけど分厚いカセットにビデオカメラで録画した。その次には「HI−8」になり、さらに「デジタルビデオ」に変わった。音楽ソフトにしてみても、レコードからカセット、CD、MD、そして今はi-podのようなパソコンのような物になってきている。
このように、20年ほどの間に3回から4回、「記録メディア」が変遷を重ねて来ている。そのたびにソフトを新しい記録媒体にダビングする人もいるが、それにかける手間があれば、新しい記録メディアで、新しい記録を撮影する方が私は好きだし、なんと言ってもダビングは手間がかかるので、そういうことはやらないが。
「文字の表記」もある意味では「記録メディア」と言えるのではないか。そうすると、その記録メディアを「より便利なもの」に変えていくことは、結局は際限のないメディアの変遷に陥り、自分で自分の首を絞めることになるのではないか?
そういう意味でも、日本語表記のローマ字化には、賛成の手を上げられずにいるのだ。

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