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『世紀の誤審〜オリンピックからW杯まで〜』
(生島淳、光文社新書:2004,7,20)
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アテネ・オリンピックまで、あとわずか。オリンピックやスポーツ関連の本が相次いで刊行されている。この本も、多少そういったところはあるのかもしれない(出版のタイミングに関して。)「まえがき」の書き出しは、こうだ。
「誤審は忘れたころにやってくる」
寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」のパロディ、ということは、
「誤審」=「天災」
ということ?いや、やはり「人災」でしょう。
スポーツにおけるルールの重要性、審判の重要性は言うまでもないが、運用するのが「人間」である以上、間違いが絶対ないとは言い切れない。しかしその間違いが、大きな舞台での絶対起こってはいけない場面で、誤審は「起こるべくして起きた」というケースが少なくないことが、この本を読むとよく判る。陸上の末続選手、シドニーでの柔道の篠原信一選手、日韓共催サッカーW杯、ソルトレイク冬季五輪での氷上の戦いなど、誤審の具体例のほか、巻末には「誤審の傾向と対策」まで付いている。アテネ五輪を見る前に読む一冊。

★★★★
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