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『紅一点論』
(斎藤美奈子、ちくま文庫:2001,9,10)
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かねがね「紅一点」の逆の状態をどう言うかに興味を持っていて、平成ことば事情372にも「黒一点」を書いている。その名もズバリ「紅一点論」は、1998年7月に単行本が出ていて、このちくま文庫版も2001年に出ていたのに気づかなかった。残念!
アニメと伝記における女性の扱われ方には共通点があり、その変遷は時代の流れの中で微妙な移り変わりを見せているという論旨は、さすが斎藤美奈子さんという内容。楽しく300ページを超す量を読んでしまった。サブタイトルは「アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」。斎藤美奈子に斬らせると、宮崎アニメも、また違う側面が浮き彫りになったりする。
そこいらのジェンダー論者とか女権論者の言い方だとなんだか納得できないものが、この人が書くと笑いながら納得できてしまうというのは、「北風と太陽」のようなものか?
でも、『月刊言語』に連載している「斎藤美奈子のピンポンダッシュ」だけは、ちょっと肩に力を入れすぎの感じがする。

★★★★
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