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『アダルト・ピアノ』
(井上章一、PHP新書:2004,7,1)
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タイトルがまず、いやらしい。どうしても「アダルト・ビデオ」を思い起こしてしまうではないか。恥ずかしくて、よう、手に取らん。だから興味はあっても買わずにいたのだが、書評などでも何度も取り上げられていて、こらえきれずに買ってしまった。で、どうか?おもしろいです。タイトルどおりのおじさんの「いやらしさ」がプンプン臭って、本当に井上章一さんらしい。西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」のヒット、ドラマ「101回目のプロポーズ」、そして「ロングバケーション」とドラマがおじさんに不純な夢を抱かせた、と社会学的に読み解くのは職業柄というのか理屈付けというのか、まあ、いいとして、とにかくそのモチベーションは別にして、そこまで弾けるようになったのはスゴイと思うし、中年からのピアノにバイエルなど要らないというのも、そのとおりだと思います。
つい先日、隣の席のHアナウンサーから指摘されて初めて気づいたのだが、私はどうやらパソコンのキーボードを、右手と左手の人差し指をそれぞれ1本ずつしか使っていないようなのだ。しかもブラインド・タッチなどできない。それでも、けっこう早く打てる。十分に実用に耐えているのである。それとおんなじようなことかなあ。
なんだか、私もピアノを習ってみようかな、という気にさせる本でした。

★★★★
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