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『何用あって月世界へ』
(山本夏彦、文春文庫:2003,7,10)
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山本夏彦名言集。夏彦の著作の中から「金言」と思えるものを、植田康夫氏が選んだもの。
「読んだことあるよなあ」と思えるものがズラリと並んでいて、どこから読んでもいい、という感じの本。
『日常茶飯事』『茶の間の正義』『変痴気論』『毒言独語』『編集兼発行人』『笑わぬでもなし』『かいつまんでいう』『二流の楽しみ』『ダメの人』『つかぬことを言う』『恋に似たもの』『やぶから棒』『夏彦、七平の十八番づくし』『美しければすべてよし』『おじゃま虫』『意地悪派死なず』『冷暖房ナシ』『不意のことば』『「戦前」という時代』『世はいかさま』『生きている人と死んだ人』『夢想庵物語』『最後の人』『良心的』『「豆朝日新聞」始末』という夏彦の作品からの抜粋。おいしいとこ取り。
前にも書いたが、『週刊新潮』の写真コラム、キライだった。
「えらそうに、わかりにくい文章書きやがって・・・!」
プンプンと思っていた。それがいつの間にか「おもしろいな」「ニヤリ」となったのは、私が年を取ったからか。
いくつかの著作を読んでみると、たしかに夏彦は「半分死んだ人」で「同じことを何度も繰り返して」言っている。また「金言」の中には、2割くらい、時代遅れであったり、ピントがずれたものがあるように感じる。でも、年を取るにつれてだんだん、夏彦の言うことのピントが合ってきているように感じる。ピントがずれていたのは私のほうだったのか・・・と気付くわけである。

★★★★
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