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『文学的商品学』
(斎藤美奈子、紀伊国屋書店:
2004,2,23)
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またやってしまいました・・・おんなじ本を買ってしまったのです。この本です。大体、出てすぐに買ったけどなかなか読まないまま、カバーをつけたままでどこかに行ってしまい(「積ん読」の一番下のあたりにまぎれてしまい)、それを忘れて「まだ読んでないから」と本屋で買ってしまう・・・ということなんですね。ハアー。で、この本ですが、斎藤美奈子さんにとって、デビュー作の『妊娠小説』以来10年ぶりの文芸評論で、著作としては11作目ということのようです。
「はじめに」に書いてあるように「商品情報を読むように小説を読んでみよう」ということで、「青春小説」「風俗小説」「カタログ小説」「フード小説」「ホテル小説」「バンド文学」「オートバイ文学」「野球小説」「貧乏小説」を、ファッションや出て来るグッズの描写を比較することによって読み解いていくのです。そこは斎藤さん、おもしろおかしく、しかし「なるほど」と思わせる分析は、いつものとおり。特にファッションの描写は、女性ならではというか、なるほどねーと、私などまったく気づかなかった視点から斬っています。
でも一番「そうだったのか」と気づかされたのは、実は「野球小説」。ここで取り上げられている「野球小説」を、私はほとんど読んでいたのです。「俺って、そんなに野球小説が好きだったんだ・・・」と改めて気づかされたとうわけです。

★★★
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