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『日本語・新版(下)』
(金田一春彦、岩波新書:1988,3,22)
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これも定番中の定番、金田一春彦の「日本語」。そもそも、あとがきにあるように、旧版が出たのは昭和32年(1957年)の1月。私の生まれる前の話。それが読み継がれて、内容が古くなってきたので「新版」としてこの本が出たのが、昭和63年(1988年)の3月。そして私が買った版は、1998年(平成10年)4月に出た第26刷。いかに読まれているか(買われているか)がわかるだろう。もう「昭和の古典」と呼べるのではないか。
6年前に買って、(上)はすぐに読めたのだが、(下)はなんとなく読みにくくて、途中まで読んでほおっておいたもの。エイヤッと気力を振り絞って集中して読み終えた。
なぜ下巻の方が読みにくかったか?文法が多いんですよね。4章の「表記法から見た日本語」まではスラッと読めたのですが、5章の「文法から見た日本語(一)」に入ったとたんにパタッと読み進む手が止まってしまった。6章はその(二)ですし、下巻のほとんどは文法の話なんです。その次の章は「日本人の言語表現」、最終章(これは短い)「日本語はどうなるか」ということで、読む意欲が出たのですが。それに比べ上巻は「世界のなかの日本語」「発音から見た日本語」「語彙から見た日本語」と、興味がわきそうなんで読みやすかったのでしょうね。当然、文法を省くことはできなかったでしょうけど、こうして通して読んでみて「ああ『文法』って、やっぱり眠くなってしまうんだよなあ」ということを、何十年ぶりかで改めて確認した次第です。

★★(上巻は★★★★
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