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『サービスの天才たち』
(野地秩嘉、新潮新書、 2003,11,20)
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サービスを売っていないサービス業が多すぎる。
ふだんの生活の中で一番腹が立つのは、サービス業という意識を持たないサービス業者の存在である。そういう場合は徹底的に戦う。ことがある。
この本は、タイトルで買った。
「高倉健を魅了するバーバーショップ」「日本一のキャディを育てるゴルフ場」「人を安心させる温泉カメラマン」など7つの話が載っている。
「温泉カメラマン」とは、温泉旅館で団体客などの集合写真やスナップを撮って売るカメラマンのこと。その温泉カメラマンの相沢雄二さんはこう言う。
「団体旅行自体が少なくなったし、それに個人情報やプライバシーが大切にされる時代ですから、宴会の後、個人の客室に入っていくなんてことは難しくなりました。それよりも何よりも敵は携帯電話ですよ。今、みんな携帯にデジカメが付いているでしょう。あれでお互い同士を写して、それでおしまい。若い子ばっかりじゃありません。お年寄りだって、携帯のなかに映像を記憶させてる。プリントした写真をアルバムに貼るなんて行為はもう時代後れ(ママ)じゃないのかなあ。」
そうでしょうねえ、生活に密着したこうした技術の進歩と普及は、一つの職業を消していくのかもしれません。
この中で一番興味深かったのは、「種牛『糸福』の一生」。豊後牛を全国ブランドに高めたこの「糸福号」が2002年1月31日、18歳で死んだ。「糸福」が残した子は、なんと3万9157頭!!子牛たちの取引総額は170億〜180億に上る(!)そうだ。す、すごい!!

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