ヘッダー Space『負け犬の遠吠え』
(酒井順子、講談社:2003,10,27)
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去年の10月に初版が出てから5か月。私が買ったのは2004年1月9日発行の3刷です。大ベストセラーではありませんが、ここにきてじわじわと売れているという感じでしょうか。「負け犬」だけに「大」ベストセラーではなく、「犬」ベストセラー?
さて、「負け犬」とは何か?著者の酒井順子さんによると、「30歳代、未婚、子どもなしの女性」を「負け犬」と規定したようです。巷で言われる「勝ち組・負け組」と似ているようで違うのは、社会的に活躍したり経済的に裕福な生活をしている「勝ち組」の人でも、先ほどの規定にあたる場合は「負け犬」とされること。
著者の酒井さん自身がこの規定に当てはまる「負け犬」だからこそ、その生態について詳しく描けているのでしょう。「そうそう!」「言えてる!!」「なんで私の気持ちがわかるの!?」と全国の「負け犬」たちの共感を呼んでいるようです。
ただ、本書の中に「こんな本を買って読んでいるようでは、既にあなたは負け犬」などという恐ろしい一節もあり、「読んでみたいけど、買うのはちょっと・・・」とためらっている女性が多いのもまた事実。それが爆発的には売れていない理由の一つでしょう。その証拠に、社内でこの本を持っていると、「負け犬世代」あるいは「負け犬予備軍」の女性から次々と「あ、その本、貸してください!」と声をかけられて、いまや順番待ちの状態なのです。
既にこの本を読んだUアナウンサーや、読みたいと思っているが買うと負け犬と思われそうなので怖くて買えないビビリのMアナウンサーと、「負け犬」について話をすると、あっという間に昼休みを越えてしまったくらい、話が盛り上がりました。
「オレは男だから関係ないわ」
と思っているあなた!実は「オスの負け犬」というのも、しっかり記されているんですゾ。
なんとも興味深い「負け犬の遠吠え」。共感を感じさせて、反感をかわずに本を買わせる、放送作家・酒井順子の筆の運びの巧みさに、シッポを巻いた・・・いや舌を巻いた一冊でした。

★★★★
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