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スワッチのアニメ日記タイトル
■2011年06月23日  『洞爺湖マンガアニメフェスタ』



 アニメーション制作に携わっている僕たち送り手が、その作品がどのように受け止められているかを実際に体感する方法は秋葉原散策などいくつもありますが、僕は各地で開催されるそれ系のイベントを訪れるのが一番いいんじゃないかと思ってます。その土地特有のお祭り気分を背景にした楽しさがあるのは当然ですが、アニメキャラクターによってそのテンションが無限に拡大する感じがたまりません。

 というわけで今回は2011年6月19日日曜日に北海道洞爺湖畔の洞爺湖文化センターで行われたイベント「洞爺湖マンガアニメフェスタ」に参加してきました。昨年から始まったというこのイベントに、この日記のアニ民12人目で紹介している神谷明さんからお声掛けいただいてゲストとして行ってきたのです。

 メインゲストは神谷さんと雪野五月さん。神谷さんのマネージャー・古川貴子さんを加えて4人での2日間洞爺湖生活は本当に充実したものでした。まずはお仕事・イベント関係です。実は2年連続参加となる神谷さんは、地元の人たちとも顔見知りでここは勝手知ったる土地です状態。昨年の経験も生かしスタッフと話し合いながらテキパキできることを判断して、五月ちゃんと一緒にリハーサル会場での音チェックやステージ進行打ち合わせに加えて、パンフレットや色紙へのサイン攻めやラジオへ電話出演などたくさんのお願い項目をこなしていきます。

 2日間イベントの土曜夕方こそ少し雨が降ってしまいましたが、日曜はすこぶるの好天。町のメインストリートは自動車が締め出され、まさにコスプレイヤーが闊歩天国。すぐ近くの洞爺湖畔に花咲くストリートも、その風景バックに思い思いのコスプレを撮影する人たちが目立ちました。そういえばこの地は2007年少年ジャンプ「銀魂」で“洞爺湖木刀”が描かれてから作品の聖地みたいになってて、ゆえに「銀魂」コスプレが妙に似合うようです。というわけで主人公のひとり志村新八の姉・志村妙役の五月ちゃんはことのほかご機嫌でした。それにしてもここの手彫り木刀、販売している越後屋デパートさんによると、述べ6万本も売れてるそうですよ。みんなあの長いのをどうやって持って帰ってるの?

 さあ13時からイベントスタート。まずは神谷明さんと雪野五月さんのミニコンサート。直前の控え室で、なかなか声出しのリハーサルが出来ないのでバスタオルで口を抑えてホテルの部屋でやってきました、と雪野さん。神谷さん直伝らしいこの方法、しっかりした“ミュート効果”が得られるそうです。さすがに声のお仕事のプロですね、いちいち表現が面白い。

 ちょっとうっとりするような2人で5曲の熱唱の後、トークショーに呼び込んでもらって3人でひたすらおしゃべりしました。僕は業界の大御所である神谷さんの進行で「シティーハンター」などの思い出話をしました。冴羽リョウ役を受けてくれた時にはもう「キン肉マン」「北斗の拳」と2つの主役をこなしていた神谷さん。よく受けてくれました、って言ったら当時の編集部で「やりたい!」って言ってくれてたそうです。もうそれから25年になっちゃうんですね。ちなみに「コボちゃん」で出会った五月ちゃんとも20年になります。3人ともその当時のお話から近況まで話に花が咲き、あっという間のトータル100分でした。五月ちゃんの「食えない時代」のお話にはさすが?のリアリティ。役者さんが持つ心配事の一端を垣間見せてもくれました。ステキなコスプレのお客さんもたくさんでとっても明るく楽しいトークショーとなりました。制作サイドの想いやウラ話も聞いていただき本当にありがとうございました。冒頭の写真はトークショーの様子と記念写真です。洞爺湖での出来事は次回も少し書かせてもらいます。

 さて6月25日土曜よる6時「名探偵コナン」はロンドンシリーズ最終回。コナン=新一と優作・有希子の本来の主人公一家!による、ウィンブルドンを舞台にした(2組のカップルの行方も示唆する?)シャープな解決編をトクとお楽しみくださいね。そして現実に6月20日、クルム伊達公子選手が成し遂げたウィンブルドンでの勝利は1996年以来15年ぶりだそうです。いみじくもコナン15周年のおり、なんというタイミングでしょうか。本当におめでとうございました!

『アニメ村のステキな住民』略してアニ民96人目。

 今週は声優の故川上とも子さんです。
 6月10日新聞夕刊に小さな訃報が載りました。その直前会社に届いたFAXにはその前日に急逝した旨が簡潔に書かれていました。

 僕自身は彼女とそんなに深くかかわった作品があるわけではないのですが、一番最初は1996年7月ごろの「ガンバリスト駿!」だったでしょうか。それ以降「犬夜叉」映画だったり「名探偵コナン」のゲストキャラだったり。人なつっこい笑顔がとってもステキで、一緒にいた時間よりもより多くの印象を残す、僕にとってはそんな声優さんでした。

 僕が知るうちで一番大きいのは山本正之さんとの関係でしょうか。僕がアニ民10人目で紹介してる正之さんは、彼女がデビュー前から学んでいたバオバブ学園での講師を務めていたそうです。その山本さんのコーラスグループ「ピンクピッキーズ」に参加していた、というからその歴史は相当なもの。

 2009年7月代々木で『劇場版 ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合! オモチャの国で大決戦だコロン!』の挿入歌「ヤッターキング 2009夏!アニメ」の録音がありました。僕はこの日記の2009年7月23日にこんな文章を書いています。[この2曲、新たに収録したのですからちょっとではありますが、山本さんに歌詞を映画用にしてもらったり、コーラスにビックリゲストをお呼びしたり、いろいろ楽しいギミックを施しています。] 実はこのビックリゲストが彼女でした。

 病気療養中ではありましたがだんだん体調も良くなってる、と話してましたし、なによりその元気なコーラスに山本さんもテンション全開収録ができたのです。映画のクライマックスにかかったその名曲をダビング作業から聞くたびに、音楽が作り出すものすごいエネルギーも感じていたものでした。

 訃報のFAXを受けてすぐに正之さんに電話。「そういえば最近会えてなかったよなあ」と正之さん。あまりの急逝にお互いに言葉もありません。「少女革命ウテナ」(天上ウテナ)や「ヒカルの碁」(進藤ヒカル)など数々の著名な主人公を演じられ、仲良しの声優仲間から“とも蔵”と呼ばれていた川上さん。今日の日記の前半で書いた五月ちゃんからもイベントの合間に、数ヶ月前友人同士で一緒に食事できた“とも蔵さん話”が聞けてしまったのも何かの縁ですよね。

 雨こそ降らなかったもののかなり蒸し暑い東京文京区「東京カテドラル 聖マリア大聖堂」(空から見ると屋根が十字架にデザインされてる著名な建物)には、アニメ業界や役者の方々中心に2日間で450人を超える弔問客が訪れたそうです。みんなの脳裏には、それぞれいろいろな川上さんキャラクターの声がリフレインしていたことでしょう。僕には本番一回でピタッと決まった、ヤッターキングのコーラスが響いています。享年41歳、心からご冥福をお祈りいたします。




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