番組審議会報告とはProgram council report

「番組審議会」とは、放送法という法律で定められた審議機関のこと。
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
読売テレビ放送番組審議会 委員は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。

※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています

第666回2025.10.10

10月の番組審議会は、10日(金)に開催されました。

今回は9月11日(木)に放送された
『一流の技をムダ遣い THE恐縮オファー』について
さまざまなご意見を伺いました。
このほか9月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も
行いました。


□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史

『一流の技をムダ遣い THE恐縮オファー』について、
委員の皆様からの主なご意見です。

「バカバカしいと思えるお願いを一流の技をもつ人たちが解決していくという
コンセプトのバラエティ。一流の技を新たな切り口で見せてくれた。全体的に
面白く 一流の人に対するリスペクトもちゃんと伝わってきた。ただ内容に
ばらつきがあり、また番組の狙いが『お願いを解決』というコンセプトに合致
していたかは疑問。番組全体としてやや尻つぼみになっていたところも残念
だった」
「やらなくてもいいことを真剣にやってみせ、なくても困らないものを一生懸命に
作るという姿が面白い。餃子のタレの調合を判定するのに『味覚センサー』
なるものを使う大仰さもバラエティ的だ。バカバカしいことに真剣に、楽しそうに
取り組む人たちの表情がよかった」
「一流の人たちが番組からのお願いをどんな思いで引き受けたのかというプロセスが
もっと丁寧に描かれていたらと思った。テレビだから引き受けたと思ってしまう
視聴者もいたと思う。その点で、町工場の人の『こういう番組を通じて子どもたち
にモノづくりのワクワク感を伝えられたら』という言葉は胸に響いた」

といった意見のほか、

「問題が解決したわけではない射的ネタが消化不良だった。ミッションを達成
できなかった猟師さんの感想、コメントも丁寧に紹介することで、リスペクトを
よりはっきりと伝えられたと思う」
「現代らしいYou Tube 的な番組であると同時に、かつてのラジオの深夜放送を
思わせる雰囲気もあった。無茶なお題に『ハガキ職人』といわれる人たちが
知恵を絞ってこたえていくというノリを彷彿とさせた」

さらには、

「MCの村上信五さんと小杉竜一さんは安定感がありバランスのとれた布陣だった。
ただ考えをきちんと言語化して口にすることは大事だ。断片的な言葉しか発しない
ゲストについては再考が必要と思う」
「続編があるならアスリートの起用も期待したい。東京で制作された全国ネットの
番組だが、東大阪の町工場など関西にもスポットをあててほしいところだ」

といった声もいただきました。

『一流の技をムダ遣い THE恐縮オファー』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第665回2025.9.12

9月の番組審議会は、12日(金)に開催されました。

今回は『テレビ報道に期待すること』というテーマで
さまざまなご意見を伺いました。
このほか7月と8月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も
行いました。


□出席委員(書面参加を含む)
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史

『テレビ報道に期待すること』について、
委員の皆様からの主なご意見です。

「SNSを通じて誰もが情報を発信できる時代。
誰かに都合の良い情報だけが一方的に発信され、
根拠のない話があたかも事実のように広がったり、
意図的なニセ情報がばらまかれたりするようになっている。
雑多な情報があふれ、何が事実かがわかりにくくなっているなかで、
出来事を正確に伝え、偽情報を指摘していく役割が
テレビには強く求められている」
「広いテーマを扱う情報番組で、
勝手な見立てや断片的な事実だけをもとにしたコメントが多くみられる。
複雑な問題を簡単に断定してしまうことで
視聴者はある程度の納得感を与えられるのだろうが、
視聴者が肯定してほしいことを肯定する『肯定ジャーナリズム』が
テレビへの不信の根本にあるのではないか」
「選挙期間中の候補者の発言のファクトチェックや
選挙公約の実現可能性の検証などは視聴者に益するところは大きい。
『公正中立』という言葉に甘んじることのない選挙報道を期待したい」

といった意見のほか、

「『テレビは信用しないがネットは信用する』という人たちのためには
ネットの利用は避けて通れない。
どこでもテレビ放送の内容に触れられるようなネットの活用や、
SNSを使った双方向のやり取りなど
放送とネットとのさらなる連携を期待したい」

といった声もいただきました。

『テレビ報道に期待すること』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第664回2025.7.11

7月の番組審議会は、11日(金)に開催されました。

今回は6月12日に放送された
『~いきなり親孝行バラエティ~コドナの恩返し』について
ご意見を伺いました。
このほか6月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も
行いました。


□出席委員(書面参加を含む)
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史

『~いきなり親孝行バラエティ~コドナの恩返し』について、
委員の皆様からの主なご意見です。

「『親孝行』は普遍的で誰もが関心を持つテーマだろう。
『誰かの願いをかなえる』という企画はありがちだが、
楽しんで見ながらも『親孝行とは何か』を考えさせられた」
「『フィリピンから日本に出稼ぎに来て以来、
ずっと帰国していない父親を娘が里帰りさせる』というエピソードでは、
家族を大事にするフィリピンの人たちの気質が良く描かれていた。
また、里帰りを果たした父親の姿だけではなく、
喜ぶ父親の姿に涙を流す娘さんの姿が非常に印象的だった」
「フィリピン・バンドが流行した当時を懐かしく思い出した。
芸能ビザで来日したフィリピンの人たちの実態を示す
データなどがあれば、
当時の社会的背景や日本とフィリピンとの関係を
よりよく理解できただろう。
また番組のBGMも当時流行したフィリピン・バンドの曲を使えば、
とも思った」

といった意見のほか、

「MCの三人は安定したトークでよい人選だったと思う。
番組が感動を狙うテーマなので難しかったとは思うが、
この三人ならではの笑いがもっと欲しかった」
「MCのひとりのノンスタイル石田さんが、
怖かった父親とキャッチボールをするエピソードも、
演出感が強かったものの、心に染みた。
広い空を意識した河川敷の風景もよかった。
『父と子のキャッチボール』という設定はありふれてはいるが、
キャッチボールは親子の心の触れ合いには非常に効果的だ。
ただのキャッチボールでも親孝行になるのだと改めて思わされた」

さらに、

「『親の夢をかなえる』という要素と
『ファミリー・ヒストリー』的要素が並列した番組だったため、
テーマ・狙いがぼやけてしまったところがあったのではないか。
 また『コドナ』という造語の意味・概念がわからない。
『コドナ』も含め、タイトルの意図するところがわかりにくかった」

といった声もいただきました。

『~いきなり親孝行バラエティ~コドナの恩返し』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第663回2025.6.6

6月の番組審議会は、6日(金)に開催されました。

今回は4月26日に放送された
『検証 斎藤知事とメディア ー対立の重い代償―』について
ご意見を伺いました。
このほか5月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も
行いました。


□出席委員(書面参加を含む)
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史

『検証 斎藤知事とメディア ー対立の重い代償―』について、
委員の皆様からの主なご意見です。

「兵庫県の斎藤知事が再選され、
メディアでの関連報道が少し減ってきたタイミングでの放送だった。
一連の問題を追求し続けようという姿勢がはっきりと伝わってきた。
経緯が時系列で丁寧にまとめられており、非常にわかりやすかった」
「タイトルからは、一連の問題を
メディアがどのように伝えてきたかという検証がされるものと
期待していたが、メディアの動向には光はあてられていなかった。
その点が不満だった。
SNSなどで発信される根拠のない情報がうのみにされるという状態は、
民主主義の機能不全につながる。
議論の基盤になる事実や情報を社会に提供するのが
メディアの役目だという覚悟で報道を続けてほしい」

といった意見のほか、

「番組中で専門家が
『記者会見での知事に対する記者の人格攻撃によって対立が生まれた』と
指摘していたが、これは疑問だ。
記者がもっと穏やかに質問していれば
知事はひたすらはぐらかしたりなどはせず適切に答えたのだろうか。
知事にとって不都合な事実が次々に出てきたから、
記者会見でも対立する構造ができたとみるのが妥当だと思う」
「テレビや新聞よりネットでの情報のほうが信頼されるという状況にあって、
普段はテレビを見ない層にとどいてほしい番組だった。
『オールド・メディア』は事実を隠しているという批判があるが、
裏付けのない情報や、事実であっても
事件とは関係のないプライバシーなどは報じないと判断するのが
責任あるメディアの立場だ。
『わかっていても報じないのはなぜか』という点を丁寧に、
根気よく発信していくことが必要だ」

さらに、

「ベテランの牧野誠三アナウンサーの重厚なナレーションが
番組のトーンを支配していた。
番組の制作意図にマッチした起用だったと思う」

といった声もいただきました。

『検証 斎藤知事とメディア ー対立の重い代償―』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第662回2025.5.9

5月の番組審議会は、9日(金)に開催されました。

今回は3月22日に放送された『プロ野球開幕直前! プロ野球そこまで言って委員会NPB』
およびプロ野球中継全般についてご意見を伺いました。
このほか「読売テレビグループ人権尊重方針」についての説明のほか、
2024年度下期の番組種別や
4月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も行いました。


□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史

『プロ野球開幕直前! プロ野球そこまで言って委員会NPB』
およびプロ野球中継全般について、委員の皆様からの主なご意見です。

「『プロ野球そこまで言って委員会』はプロ野球ファン向けの好企画。
出演者が一つの方向を向いて真剣に議論をしているところが見やすく、
番組として成功していたと思う」
「クライマックスシリーズやDH制の是非など、
プロ野球ファンが関心を抱いているテーマを取りあげていた。
8人の解説者がひとつの問題について、
それぞれ違う角度からコメントを繰りひろげており理解も深まった」
「大谷選手一辺倒の情報番組についての考え方や、
球団のユニフォームや道具へのさまざまな規制ぶりなど、
選手だった解説者たちの切り口や体験談は非常に興味深かった。
ただ出演者の間でネクタイを着用していたりいなかったりするばらつきがあり、
少し気になった」

といった意見のほか、

「『球団ごとの観客数』『球団ごとの年俸』など、トークを広げる材料として
データ、数字をもっと効果的に使う演出もできたのではないか」
「プロ野球ファンの声も紹介されていたが、登場していたのは
タイガースファンばかりだった。またことさらに関西色を強調するような
描き方は不要なのではないか」

さらに、

「プロ野球中継がテレビの重要なコンテンツである現状もよくわかった。
様々に工夫された中継によって、試合の魅力が視聴者に浸透し支持されている
のだろう。球審カメラをはじめ従来なかったアングルの映像は迫力がある」
「プロ野球はテレビ中継なくしては発展しなかったはずだ。
テレビ中継のこうした工夫によってさらにプロ野球ファンが増え、
実際に球場に足を運ぶファンの数も増えているのだろう。
ただ少子化などの原因で、野球人口の減少という問題が現実に起こっている。
プレーヤーが減っているという問題にも目を向けた別な番組展開にも期待したい」

といった声もいただきました。

『プロ野球開幕直前! プロ野球そこまで言って委員会NPB』
およびプロ野球中継全般について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第661回2025.4.11

4月の番組審議会は、11日(金)に開催されました。

今回は『視聴者センターの役割』として、
視聴者との直接の接点となっている
視聴者センターの業務について報告しました。
また3月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要の報告も行いました。


□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ(書面) 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史

『視聴者センターの役割』について、
委員の皆様からの主なご意見です。

「視聴者から寄せられるさまざまな意見や声から有用な声をすくい取って、
社内にフィードバックする役割は大事だ」
「大事な指摘や意見を漏らさぬよう、社内にフィードバックしてほしい」

という意見のほか、

「テレビ局にわざわざ声を寄せたりはしない
サイレントマジョリティの『声』も意識する必要があるだろう。
放送局には自主自律が求められる。
視聴者から寄せられた意見に過剰におもねることなく、
番組つくりをしてほしい」

といった声もいただきました。

『視聴者センターの役割』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。
  • 2024年度 読売テレビ放送番組審議会 委員
  • 委員長  勝田泰久  (学校法人大阪経済大学 前理事長)
  • 副委員長  小林順二郎  (国立循環器病研究センター 名誉院長)
  • 副委員長  島尾恵理  (弁護士)
  • 委員  梶山寿子  (ノンフィクション作家)
  • 委員  白羽弥仁  (映画監督)
  • 委員  古川綾子  (大阪樟蔭女子大学准教授)
  • 委員  一ノ瀬メイ  (パラリンピアン)
  • 委員  谷本奈穂  (関西大学教授)
  • 委員  吉村和真  (京都精華大学理事長)
  • 委員  平尾武史  (読売新聞大阪本社取締役編集局長)